DHAサプリで頭が良くなる？記憶力や知能指数の向上効果

DHAと脳の機能の関係については実に多くの研究がなされています。未熟児の赤ちゃんや乳児では、DHAの水準が高い母乳で育てた子のほうが、DHAが少ない母乳やDHAを含まない粉ミルクで育てた子よりIQが高くなったという報告があります。また、18～45歳を対象にコンピュータテストで記憶力を調べた研究では、DHAを摂取したグループのほうが記憶力が高まるという結果が出ました。DHAによって大人の脳でも記憶力が上がるという結果に、認知症の予防といった面からも期待が高まっています。

DHAは脳の中でも、特に情報を一時的に記憶し、整理して脳に定着させる役割を持つ「海馬」に多く存在しています。その量は脳の他の部位の約2倍。DHAの血行促進パワーによって脳内の血流がよくなり、十分な酸素と栄養分が海馬に届いていることが、記憶力の向上につながっていると考えられています。さらに、DHAには脳の神経細胞そのものの働きを活発にする力もあります。

人間が思考する時には、脳の中の神経細胞間で情報の伝達が行われています。神経細胞の突端のシナプスから隣の神経細胞のシナプスへ、神経伝達物質アセチルコリンが移動していくことで脳が活性化していくのですが、DHAにはニューロンの感度を高めて情報伝達をスムーズにする効果があることが分かっています。

DHAが「細胞を柔らかくする力」を発揮すると、神経細胞の先端のシナプスが活性化して伝達物質が伝わりやすくなります。さらに、DHAは神経細胞にダメージを与える活性酸素を減らしてくれる働きや、神経細胞から手のようにひろがる樹状突起を増やす働き、軸索の成長を促す働きも持っています。そのため、脳全体の機能がアップするのです。

神経細胞の情報交換がスムーズに行われると、集中して深くものを考えることができます。ニューロン間の情報伝達がすみやかに行われることで必要な情報に素早く行き着くことができますし、周囲のニューロンに情報が行き交うことで関連情報を想起したり、情報を比較・検討したりすることができるからです。

DHAによってシナプスが活性化した脳は、集中して思考することを可能にします。新しい知識をどんどん吸収している子供たちや、判断力・決断力が求められるビジネスマンなど、DHAは、脳をしっかり使いたい全ての世代の人々の力強い味方なのです

一般に、能力の高い人は集中力が高い、といわれます。この場合の集中力は・一つのことをじっくりと考え続け、やり続ける力（学習や作業などの場面）・チャンスを逃さず、瞬間的にパワーを集める力（スポーツなどの場面）という力でしょう。どちらも、実現しているのは脳の働きです。必要な部位の神経細胞の情報交換が緊密に行われることで、今やり遂げようとしていることに脳の機能を集めることができるのです。

色々な分野の名人・達人とよばれる人の中には、凡人よりも脳の活性する部分が広かったり、凡人では活性しない部分を使っていたりというように、脳の使い方に特性がある人がいることが知られています。またヒラメキや直感は、思考に思考を重ねて脳が飽和状態になった後で、ふっと緊張状態が緩んだ瞬間に多く生まれることがわかっています。脳の活性化された部分の中で生まれた「無意識の連想」から、ふっと湧き上がる、それがヒラメキだというのです。

脳の持つ潜在的な力がどれほどのものなのか、まだ未知の部分がたくさんあります。しかし、どんなに素晴らしい脳でも、栄養や酸素が行き届いていなければ、力が発揮されることはありません。DNAで脳を活性化させることで、自分の「脳力」を引き出していきたいですね。